※ 結構前に書いた記事です。
有名な話だが
とある大学の創設者であり
1万円札に肖像画が載っていることにより
日本国民全員から、こよなく愛される 福沢諭吉 が
1860年頃、江戸時代末期の幕末期に
咸臨丸(かんりんまる)に乗って太平洋を横断して
アメリカに行ったときの話で、、、、、
( 余談だが、咸臨丸の艦長は、
これまた、みんな知っている勝海舟で、
諭吉はこれに同行したのだが、
諭吉は、
艦長の癖に、船酔いして「おえ~っ!」と吐いている
勝を見たことにより
「なんだ、コイツ?」と思い
生涯内心で、勝のことをバカにし続けたらしい )

諭吉が、現地で
「 アメリカを建国した(も同然の)
初代アメリカ大統領ジョージ・ワシントンの子孫は
今何をしているのか? 」
と言う質問を、そこで交流した
そこそこの身分のアメリカ人にしたところ
(聞いてみたところ)
「知らない、分からない」
と言われて、すごく驚いた、という話がある。
当時の日本人からしてみれば
アメリカ建国の父、初代大統領ジョージ・ワシントンは
日本で言うところの江戸幕府を開いた徳川家康も同然。
日本では、その家康の子孫が260年間トップに立って
政治をおこなっているのに
アメリカでは、ワシントンの子孫が
アメリカで、今でもそれなりに権力を握っているどころか
そこそこの身分のアメリカ人の間でさえ
どこで何をしているのか、知らない、
特に興味も無い、といった感じの始末。
・・・・まぁアメリカ人でも
ワシントンの子孫が
何をやってるのか知らないのは、当然なんですけどね。
だって実際にワシントンには子供はおらず
子孫はいないのですから。

とにかく、この出来事によって諭吉は
日本とアメリカが、まったく違う、
ということを思い知ったのですが、、、、、
まぁ違うのは当然なんですけどね。
当時のそれまでの日本では、強い奴が、
実質的な日本のトップに立って権力を握り、
その子供や子孫達が代々、その後を継いで権力を握り
政治をおこなっていくから
「 最初にトップに立った人の子孫が何をやっているのか? 」
というのは、
すごく、すご~く重要視され興味のあることなんでしょうが。
( 大抵、なんらかの重要な役職に就いて
かなりの権力を握っている可能性が高いですから・・・ )
しかしアメリカの場合、
大統領 は国民から直接、
その当時、人気のある人が選挙で選ばれて
あらかじめ定められた任期のある間だけ
権力を握って政治をするだけの存在ですので、
任期さえ終わってしまえば
また選挙をやって別に人が選ばれるわけでして、
その後も、当時の大統領の子供や子孫が
代々権力を握って
政治をおこなうわけでもなんでもないので、
アメリカ国民にとって、当時のトップ、大統領の子孫が
現在何していようが、どうなっていようが
まったく興味は無いわけです。
・・・それで、諭吉は、
アメリカでは国民は、日本とは違いみんな平等なんだ~
とか、なんとか思ってしまったりしたわけです。

というか、そもそも咸臨丸は当時、幕府の用事で
アメリカに渡ったわけであり
当時、幕臣でもなんでもなく
幕府側の用事にまったく関係の無い 諭吉 は
「 とにかくアメリカに行ってみて~ 」
と思っていただけで、
自分の持っているコネをフルに活用して
なんとか関係者の付き添いという形で
咸臨丸に乗り込んだ、というだけなんですけどね。
たいして身分も無く、金持ちの生まれでも無い
福沢諭吉が初めて日本から太平洋を横断して
アメリカに行く咸臨丸になんとかして乗り込めるほどの
コネを作り上げてしまうとか
やっぱり諭吉はただ者では無い、と思った。
やっぱり世の中で大成するには
今も昔も変わらず、
コミュニケーション能力 がある奴だってことなんでしょうね。
彼にはその能力があったからこそ、
歴史に名を残すことができて
1万円札には自分の顔を刻むことができたのだと思います。

ちなみに諭吉は、咸臨丸でアメリカに行って
出迎えのアメリカ人達と良く交流した後に
現地で遊びまくって
写真館でかわいいアメリカ女子ともツーショット写真を撮ったりして
(今でもその写真は残っている)
ご満悦で日本に帰ってきたとか。
諭吉の少々遊び人の一面も垣間見えるが、やっぱコミュ力はある。
そして現代でも万札となって、私達の生活というか
人生をもてあそんでおられる、、、、と。
日本国民の間で日々万札として行き来しているし
そのコミュ力は今でも健在です。
・・・今回の記事では、福沢諭吉のことではなく
江戸時代の日本人と、アメリカ人の
(元)権力者に対する認識の違いについてだけ書こう
と思っていたのですがね、、、、、まぁいいか。
SH
福沢諭吉自身が書いた自分の生涯を書いた日記みたいな本、自伝 ですね。
それの現代語訳版がこの本、読みやすくなっています。
福沢諭吉は、幕末期の人だけど 維新志士とかではない ので
(どちらかというと幕府寄りの人)
明治維新の動乱、そして明治政府が成立した後のことについて
渦中の視点ではなく、
第三者の視点で書かれているので、それはそれで読み応えがある。
まぁ、この本の中で個人的に面白いと思った話は
諭吉が、アメリカとかヨーロッパに行った話なんですけどね。
まぁ福沢諭吉が、何をした人か?どういう人か?
知りたければ、これ一冊読めば大体分かる。
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