おすすめ記事(スクロールできます)



<江戸時代> 1億円もするミカンを横領した話

皮付き

 

江戸時代の話。

 

大きな、それなりに繁盛している店の

とある、跡取り息子が病気になってしまった。

 

何の病気にかかったかというと

その息子が以前食べた名産地のミカンの味が忘れられなくて

恋しくて、もう一度そのミカンを食べたい、、、のに食べられない!

というミカンわずらいの病気なのだと言うことだ、

部屋に閉じこもり寝込んでしまった。

 

けれども、今は夏であり、時期的ミカンの季節では無く

どこの店へ行っても、ミカンなど一個たりとも売ってはいない・・・

 

だけども、その寝込んだ息子の親である

その店の経営者から、この話を聞いた、その店の従業員の一人の男が

店のためなら、、、ということで

その寝込んでしまった跡取り息子に元気になってもらうために

ミカンをなんとしても探しに行くことになった。

 

それで、その従業員は町中探し回ったけれども

やはり完全な時季外れなので簡単にはミカンは見つからない。

 

しかし、そのうちに、とある果物の卸問屋を見つけた。

いつもミカンを扱っているのだそうだ。

 

で、その従業員が、その問屋に尋ねたところ、いわく

ミカンが今時期でも一応、置いてあるそうな!

なので、一個だけでもいいので欲しいです、買いたいです、と

言ってみると、、、、、

 

 

その問屋の経営者が、問屋の敷地内にある蔵を開けると

大量のミカンが、その蔵の中から出てきたが

どれも夏の暑さでやられて、腐ったり、痛んだりしている。

 

、、、、が、その中に1個だけ、まったく痛んでいない綺麗なミカンが見つかった!

 

それで、ミカンを探していた従業員が、それをください!と頼んだところ

問屋の経営者から

「ああ、このミカン1個で1億円だからな!」

と言われた、な、なんだってぇ~。

 

従業員は、驚いて、なんでそんなに高いのか?と聞いてみると

なんでも、夏でも一応、原産地でミカンはそれなりに採れるので

こうして大量に仕入れて保管しておくのだが

やはり、ほとんどはこの夏の暑さでダメになってしまう、、、しかし、

こうして、その中のいくつかは、食べれる物は残る、

だから、その生き残ったミカンは大変貴重なのだそうだ。

よって1億円の値がつくのだそうだ。

それだけの価値が有る。

 

(というか、時季外れの物を大量に取り寄せるのだから

それなりに費用もかかっている、

その綺麗なミカン1個を残すためだけに・・・)

 

それで従業員は、いったん自分の勤め先の店の戻り

店の経営者である、病気の息子の親に、この話を聞かせると

その話はたしかに道理にあうし、息子のためなら、、、ということで

ポンッと1億円出してくれた、そのミカン1個のためだけに。

 

 

で、その従業員は、さっそく、その1億円を持って行き、

ミカン1個を買ってきてから、店へ戻ってきて

店の跡取り息子に、その買ってきたミカン1個を差し出した。

 

そして、息子は、そのミカンの皮をむくと

ミカンの実が10粒ついていたのであるが

そのうちの7粒を取って

おいしそうにペロッと食べてしまった。

 

そして、残ったミカンの実3粒を、従業員に渡して

「心配をかけた父と母、そして尽力してくれた

お前で分けて、1粒ずつ食べておくれ」

と息子は言った。。。

 

 

で、その従業員は、少し元気を取り戻した

跡取り息子の部屋から退出して

その渡されたミカンの小さな実3粒をじっくりと眺めはじめて、、、

 

ミカン1個で1億円したんだよなぁ、、、

つまり、その中身であるミカンの実が10粒で1億円ってことだよなぁ?

そのうちの実1粒で、1000万円、、、、、、、

そして、今、私が持っているミカンのこんな小さな実3粒で

3000万円もするってことで、それを今、私が現に持っているんだよなぁ・・・

とか考え始めてしまった。

 

そして、

3000万円もあれば、このまま、この店で、苦労して真面目に働かなくとも

今後、不自由なく暮らしていける、、、という考えに行き着き

その従業員は、そのミカンの実3粒を誰にも渡さずに

大切に自分の懐にしまって

店から、そのまま出て行って逃げて行ってしまった、、、

ということです。

 

 

買う時には、たしかに、

そのミカン1個で1億円も出したんだけれども

それは購入する側にとって1億円の価値があるから、

そんな大金を出して、わざわざ買ったのであって、、、、

 

普通に考えれば、たしかに希少性はあるかもしれないが

そんな時期外れで、さして美味しくも無いミカンに

他者から見ても、1億円の価値があるわけないので

本当に3000万円で、ミカンの実3粒を転売できる、とでも思っているのか?

誰も1円たりとも出しやしない。タダでも要らん。

 

まぁ、だからこそ、

そのミカンの実を高価な物として考えて横領した従業員の、

その考え方自体がユニークなのであって・・・

 

 

 

SH

 

 

 

身近にある物の、ミステリアスな一面を知ってしまうと

より魅力的に感じてしまうものなのです。

 

 

 

<労働 江戸時代 仕事 ミカン 奉公 横領 みかん 蜜柑 果物>