前回の続き
社会人向けの江戸時代の古文書講座の先生と
その生徒が、2人して、とある空き家にある隠し扉を通って
江戸時代へとタイムスリップしてしまった。
そして、生徒の目当てである、当時の遊郭の前まで行くものの
生徒は遊女に振られる。
そして先生に慰められながら、元の宿まで帰ってきた。

・・・そして、次の日、長崎から来たお医者さんが宿に泊まっていると
聞いて、大きな商店の主人からの使いの者が2人の元にやってくる。
どうやら、その店の主人のひとり娘が、目の病気らしい。
一度、診てやって、なんとかできるのならばして欲しい、とのこと。
一応、先生は、江戸時代の町に現代から潜入して
医者を名乗る以上は、現代からいろいろドラッグストアで買い込んだ
安い市販の薬などを、念のため大量に持ってきていた。
江戸時代の人に、どれだけ効能があるのかは分からないが
そもそも江戸時代に使われていた薬自体、いいかげんな薬ばかりで
使っても患者の毒にさえならなければ問題ない、といった感じであった。
それに比べれば、まだ現代から持ってきた薬の方がマシだろうし、
たとえ使っても、患者に効き目がなくとも、容態が悪くさえならなければ
回復しなくても、特になにも文句は言われないだろう。
ということで、その大きな商店まで、先生と生徒で2人で、出向き
とりあえず、その娘さんの目に目薬を差してきた。。。

そして、また次の日、2人が宿でくつろいでいたら
商店の方から使いの者がやってきて、どうやら娘さんは
一晩で、今までわずらっていた目が完全に治ってしまった、とのこと。
そのお礼に来たのだと。
どうやら江戸時代の人には、現代の薬の免疫などが一切無いために
薬の効き目は予想以上にバツグンに効いたみたいだ。
2人は、商店の主人に気に入られ
庶民の長屋の密集しているところに
簡単な住居を無料で貸してもらえることになり
そこで、しばらくの間、ちょっとした診療所をひらくことになった。
また診療所のお手伝い、または2人の身の回りの世話役として
13歳の商店で働いていた下女をつけてもらった。

あと、他に娘の治療代として、いくらか商店の主人から
心付けの金をもらった先生は、その金で
町の本屋に行って、現代ではもう残っていない当時の本を
買いに出かけるが、予想以上に高すぎて手が出ない。
そう、この時代の本は高すぎて、庶民はなかなか気軽に購入できない。
なので、代わりに貸本屋なるモノが存在して
庶民はそこで本を借りていたのだ。
しかし、先生の場合は借りるのではなく
現代に持ち帰るために購入したかったので、残念であった。
けれども、いくつか欲しい本は買えた。

さて、住まい兼、診療所に戻ると、さっそく診療開始。
そこらへんの長屋に住んでいる一般庶民が
名医だと聞いて、何人も訪れに来た。
しかし、みんなまともに診療代の金を持ってはいなさそうだったので
家に置いてある、当時の安い春画やら、浮世絵とかを
診療代の代わりに持ってきてもらうことになった。
これを現代に持ち帰れば、どうやらそれなりの値段で売れる物があるらしい。
別に、この時代で金儲けをしようという心づもりは無いが
せめて、診療で使った、現代のドラッグストアで買ってきた市販の薬代くらいは
回収したいと思っていた。。。
つづく。
SH
味噌汁だけで、ご飯何杯でもハフハフ食べれる。
やはり味噌汁さえあればいいんですよ。
<江戸時代 異世界 転移>