簡単にうろ覚えで書いていく。
とあるスリが、財布窃盗の現行犯でその場で捕らえられた。
片腕に盗んだ財布を持ったまま
捕まったのだ、それが動かぬ証拠であった。
で、裁判にかけられることになったのであるが、
当然有罪で、しばらくの間ムショ送りになることを告げられた。
常習のスリであったのか。
それで、その判決を告げられた際にスリが
裁判官にむかって、
財布は確かに盗んだけれども、スッたのは、
この腕である、と片腕を見せた。
この腕がうずいたのであって、この腕が罪なんだ・・・
(この腕とは捕まった際に財布を掴んでいた腕)
だから有罪でムショに入るのは、この腕だけで十分だろう?
俺自身は無罪だぁ~、とか言い始めた。
そしたら裁判官は、はぁ?何言ってるんだ?、、、と飽きれた。
この期に及んで、なんなんだ。
ある種の発作か?
しかし財布スリ泥棒の方は、なおも食い下がる、
俺ではなくこの腕がアカンのだ~、と。
それで裁判官が仕方なく判決を変更して、財布を掴んでいた片腕だけ
有罪ということで、その腕だけムショに入ってください、
あなた自身は無罪ですよ、と言った。
もちろん腕だけ有罪でも、腕は体にくっついているんから
結局、無罪判決を言い渡されたスリは腕と一緒に
入牢しなければならないのに、、、
裁判官は意味が分からない、と思いつつも、おかしくて笑った。
そしたら、私自身は無罪ですね、どうもどうも、と言いながら
その有罪判決を受けた片腕だけをスッポリと外して、
その場から悠々と去っていった。
財布を掴んでいた腕は、作り物の腕であったのだ。
(意図的に捕まる際に、その腕で財布を抱えたのであろうか?)
この話から、なんでもそうだが、裁判でもそうだが、
相手にスキを見せないように、しっかり気を張っていなければならない。
油断してはならない、だとか・・・
この話においては、
相手が冗談言っているだとか思って滑稽だと気を緩めて
法廷において、確実に有罪にできる(勝ちは確実だ)とか思っても
自分の余裕を少しみせようとして、相手の調子にあわせてしまい
よく相手の言動の意図を考えず、うっかり発言してしまった。
それで犯人を一番最後に逃がしてしまった。
つまり裁判でもなんでもそうですが、重要な場面で
相手を追い込む、詰めの時には、
スキをみせずに、また相手に猶予を与えたりもせずに、
きっちり詰めなくてはならないという教訓らしいが。
<関連する記事>
<裁判 訴訟>