江戸時代の、なかば頃の、とある地域での話。
そこには、とある武士が、とある商人の妻と不倫していた。
そして、商人(夫)が、仕事で家にいない時を見計らって
武士が、その商人の家に、勝手にやってきて
その妻と寝室でイチャイチャと
まぐわっていた、、、時のこと。
そこへ突然、夫である、その商人が家に帰ってきて
妻と武士との、行為中の不倫現場に
いきなり、バタリ!と
寝室の部屋の戸を、勢いよく開けて
乗り込んできた。
そのことに、おどろいた武士は
上に着ていたモノだけ、はおって
ほとんど裸同然のまま、逃げ出して行ってしまった。
・・・他の持ち物は全部、
寝室に、おきっぱのままで行ってしまった。

そのあと、グルリと寝室を見回した商人(夫)は
脱ぎ散らかされた武士と、自分の妻の衣服、
また、乱れたフトンなどを見て
怒りでワナワナとしたが、
しばらくして、冷静になって、よく考えてみたら
武士が、突然のことで、動揺して、うろたえて
逃げていってくれて、、、良かった。
もし、逆ギレされていたら
「 商人ごときが、武士に対して、でしゃばりやがって!無礼千万! 」
とか言われて
刀を抜かれて、逆に、斬りつけられてしまう危険性があった。。。
すでに、表面上のこととはいえ
この時代、まだ一応
士農工商といった感じの
身分の上下の差は依然として残っていますし、
それに基づけば、武士は立場は一番上で
一番下が商人、、、ということにはなっている。
なので、自分の妻と不倫していた、その武士に
仕返しするにしても
少し頭を使わなければならない、と
その商人は思った。

そこで、もう一度、寝室内を見渡すと
そこには、武士がおいていった
刀と、ズボン(はかま)、
そして、ティッシュ箱(鼻紙袋)や、靴(ゾウリ)
などが散らかっていた。
商人は、それらを見て、いいことを思いついた・・・
商人は、武士の置いていった、それらの持ち物を
町中まで持って行き
人通りの一番多い、道の真ん中のところで
それらを、ばらまいた。
このようにして、武士に、一般庶民の前で
恥をかかせてやろう、、、という考えであるが・・・・
その武士にとっては、
その道の真ん中で、ばらまかれた
自分の所有物を、回収しに行きたくても
さすがに、行くことは出来ない、
そんなことしたら
身元が、即バレてしまう。
特に、自分の、ばらまかれた所有物の中でも
武士が、自分の刀を、どこかに置き忘れてくる、というのは
この時代では、今で言うところの
警察官が仕事中に、どこかに拳銃を置き忘れてくることよりも
恥ずかしいことだった。
もしも、上にバレたら、なにかしらの処罰などの
おとがめを受けることは間違いない・・・
商人の、このような目論見(もくろみ)は、成功する。

町中の道の上に、
ばらまかれた武士の所有物から
どこの武士か身元は特定されてしまい、
また、日頃の町中での庶民のウワサなどから
その武士が、商人の妻と不倫していたことまで
上にバレてしまったらしい・・・
まぁ、最終的に、その武士が
どのような処分を受けたのかまでは知らないが。
商人の妻との不倫うんぬん自体は、ともかく、
自分の刀を、不倫現場に忘れていき、
その上、怒った浮気相手の夫に
自分の他の持ち物ともども
町中で、ばらまかれたっていうのは
、、、、、マズかったでしょうね。
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