民事訴訟を起こされて、被告(訴えられた人)が、
裁判が始まって一番最初におこなわれる審理(第1回口頭弁論)に
出席せず、また、なおかつ
原告(訴えてきた人)への反論を書いた書面である
“答弁書”の提出も裁判所にいまだにしていなかった場合、
もうどうしようもないので、それで裁判の審理は終わってしまいます。
( ・・・・ちなみに裁判における“審理”とは、
裁判の当事者同士が裁判官の目の前で、
お互いの主張や反論が書いてある書面のやりとりすることです。
それらを補強する証拠だって出します。
そういうやりとりをして裁判は進んでいきます。 )
そして、そのまま被告が、なにもせずにいると
自動的に被告が、原告の言い分を全部認めたことになってしまい
原告の勝訴判決が出てしまいます。
こういう風に出た判決のことを、欠席判決と言います。
まぁ、なにもせずに放っておいたら、
そういう判決が出るのは、当たり前ですよね。。。。

しかし、その欠席判決が出る前に、被告が
弁論再開申請 をすれば、また裁判の審理を再開させることができます。
そうすれば、1回で終わるはずだった裁判の審理が続いて
2回目の裁判の審理(第2回口頭弁論)が、はじまります。
けれども、もちろん確実では無く、
弁論再開申請が認められない可能性もあります。
民事訴訟法第153条
裁判所は、終結した口頭弁論の再開を命ずることが できる。
・・・「裁判所は、~できる」とあるので
つまり、裁判官の判断次第なのです。
弁論再開申請をしてみて
もし、それが認められれば、
被告は、裁判に欠席して答弁書を出さなかったのにもかかわらず
原告の言い分(請求や主張)を一切認めなかったことになります。
つまり、また最初から
裁判の審理をやりなおすことになるってことですね。
訴えられた被告にとっては便利な制度な反面
訴えた原告にとっては、少々やっかいな制度ですね。
・・・・でも、実は
原告は、被告に対して
弁論再開申請を
させないようにすることができる方法があるのです!
この方法も、弁論再開申請と同様に
確実に成功するということはないのですけれどもね。。。
その方法とは、
訴えた原告が民事訴訟を起こして、最初の裁判の審理の日に
訴えられた被告が、欠席していて、反論を書いた答弁書も出ておらず
いったん、とりあえずその日の裁判が終わりそうになるときに、、、、
原告が、裁判官に対して
「 相手は、欠席しているし、なにも反論書いた答弁書さえ出していない!
これって、もう、私の言い分を完全に認めているってことですよね?
だから、すでにこの訴訟は私の勝ちじゃないですか?
なので、今すぐ、私の勝訴判決(欠席判決)を出してくださいませんか? 」
と頼みこむことです。
もしも、裁判官がこの原告の言い分に納得したら
その日その場で、原告勝訴の判決を出してくれることがあります。
嘘みたいな話ですが。
それにその時の裁判官の判断次第ですけどね。
でも、とにかく訴えた原告は、今回のような状況であれば
裁判官に言ってみる価値はあるでしょう。
もし、それで、すぐに勝訴判決を出してくれたら儲けものですし。

なので、訴えられた被告は
弁論再開申請という方法もあるからとタカをくくって
最初の裁判を欠席した上に答弁書も出さなかったら、
訴えた原告に先をこされて
被告が弁論再開申請をする前に
欠席判決が出されて
有無を言わさず被告が敗訴してしまう可能性があります。
いったん敗訴してしまったら
控訴して、上級裁判所で争うしか無いのですが、
日本の民事訴訟においては
なかなか控訴してもそれが認められないですし
たとえ控訴が認められても
逆転して勝てる可能性もかなり低いですので、
一番最初の裁判で勝つことができるかどうかで
ほぼすべて決まるようなものです。
3審制とはいえ、チャンスは1回しか無いも同然。。。。
だから、訴えられたら、あとからなんとかなるだろう、と思わず
最初から真面目に裁判に取り組んで、全力で抵抗すべきなのです。
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