<毎朝、混んでいる電車内が平穏なのには理由があった>
毎日、電車通勤とか通学とかする人はいるだろうか?
おそらくいると思うし、
そんな時代があったという人もいるだろう。
で、ちょっと考えてみて欲しいのが、
電車の中とかって、他人だらけじゃないですか、
自分以外全員他人じゃないですか、ほとんど。
それなのに、みんな静かにして、電車で移動中スマホいじったり、
参考書を読んだり、音楽を聴いたりして、
穏やかな時間を過ごしていて、揉めずに平穏が保たれている。
なぜだ?
よく考えてみれば、年齢も職業も違う、
赤の他人同士が狭い車両の中の密室に集まって、
何事もなく過ごせているのは、不思議なことなのである。
実は、これには理由があった、みんな電車に乗って、
無事に揉め事も起こさずに目的地へ行くために、
電車に乗っている全員が、無意識に赤の他人のフリをしているからである。
(まぁ元から、まったくの他人ではあるけれども)
もし他人のフリを、みんなが、しなかったら、どうなるであろうか?
毎朝、電車の中で会っている人に、知り合いではないけれども、
毎朝いつも同じ場所にいて、顔を合わせているし、
挨拶でもして、ちょっと会話でもしてみるか、などと考えて、
ちょっと話かけてみる、、、という自体が起こってしまう。
「おはようございます。
いつも毎朝、ご一緒しますけれども、どこまで行くのですか?
どこにお勤めですか?」
、、、などと、話しかけたりしたら不審者そのものであり、
電車内の平穏が保たれなくなるだろう?
赤の他人が気安く、話しかけてきたり、
ナンパしたりしてくる電車になんて、誰が乗るであろうか。
みんなそのことが、なんとなく本能的に分かるから、
赤の他人だという自覚をしっかり持ち、そのフリに徹していて、
他人と目線さえも合わせないようにして、
目をつむっていたり、下を向いていたり、何か持参した本を読んでいたりする。
それゆえ、電車内はいつも静かであり、
みんなが行きたい場所へと、スムーズに、
人が大勢で混んでいても移動できるのである。
通勤電車で会う女子高生に、なぜかなつかれて困っている【電子特別版】 (富士見ファンタジア文庫)
<電車 通勤 通学>