江戸時代の話。
江戸時代って言うのは、とにかく建造物は木造なので
ちょっとでも、小火を出して燃えてしまえば
家は簡単に全焼、
まわりにも火の粉が飛び散り
周囲の家にも被害がぁ~、という感じであった。
なので、町とかでの各家庭の火の扱いは慎重に、、、、
という感じであった。
それで、江戸時代版の路上喫煙禁止法とかもあったし
屋台とかで火を使うような物を扱うのも禁止にしたり、とか
とにかくこまかく火を扱うことに関しては
法律で規制したことなどもあった。
そういうことを前提として、、、、
またもや江戸時代のある日、ある地域で、
こういう法律が出されたことがあった。
「これからのことであるが、
飲食店とかの商売をやっていて、普段から日中、火を使っているところは、
店として使っている家の前に
火を使っているという誰から見ても分かる、
“今、火を使っています”ということを示す証(あかし)を
出して飾っておけ」
「それは竹の棒の先にヒモかなんかで、ワラを結びつけて垂らしておきなさい」
・・・つまり店が火を使っている時には
店から、すごくなんかやっている匂いがするし
煙とかも、けっこう出るので
近所とか周囲の人は、ともかく
遠目から見ても町の人とか、通りかかった人とかが
火事かも?とか思って勘違いして、慌てたりして
大事にならないように、そうしておけ、、、、ということ。
そして本当はお上としては、店だけでは無く
各家庭にもやってもらいたかったが、さすがに、そこまでは、、、できなかった。
とりあえず、飲食店のみということで。

、、、ということで、
仕方なしに面倒だなと各飲食店は思いつつも
お上の言うことだからと、素直に従って、
その証を入口とかに飾っておいた。
こんなヤツを飾ったらしい↓
しかし、火を使っていない、休みの日とか、夜中の時とかも
いろいろ、証を仕舞うのが面倒なので、
そのまま仕舞わずに外に出しっ放しにしておいた。
とにかく、火を使う店は、この証を吊しておきゃいいんだろ?
別に、いろいろ、こまめに適時
出したり、しまったり、とかせんでも
そこまで上も文句言わないし、みんなそんな感じだし、、、、という感じであった。
う~ん、たしかに飲食店とかで
主として火を使うところは
昼夜問わず、火を使わない時でも、証を飾っておけば良い、とは
思うのですが、
お上としては、火を使う時だけ、、、ピンポイントの時間だけ
その証を飾っていてほしかったらしく、
そんなことが各店で常態化してしまったので、
この法律を出してから、しばらくした後に、
「ずっと証を出しっ放しなのは良くないよ、なんとかしろ」
、、、と、愚痴みたいな、付け加えを法律にしたけれども、
それから、またしばらくした後に、諦めて
「この法律、もうほとんど意味ないから無かったことにしてね、てへっ☆」
、、、とか言い出して、本当に無かったことになった。廃止。

なんていうか、この時代、こういう感じの、
とりあえず、お上が思いついた法律をテキトーに
出してみたはいいけれども、
誰も守らないし、取り締まるのも面倒だし、
ほとんど意味ないから、
やっぱ無かったことにしてね?みたいな法律の公布が、よくあった。
だから、当時の庶民も、そのことはよく分かっていて
今度の出された法律は、たいしたこと無さそうであれば
最初だけ、とりあえず守っておいて、あとから無視しようぜ?
どうせすぐ無かったことになるさ!
、、、とか言って、法律をないがしろにすることがよくあった。
というか、出された法律を守らない庶民がぁ~、というよりも
当時のお上が庶民の生活に関して、細々とまずは口から
あ~だこ~だ、と介入しすぎなのである。
まぁ当時は、民主主義じゃないからね。
仕方ないよね。
SH
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