みかけた質問を自分の言葉で書き直した物です。
<質問の概要>
知り合いに、日常的に使用する電化製品を期限付きで貸しています。
一度メールで「今度返す」と送ってきたのですが、
この前、約束の期限が過ぎました。
それで、こちらから知り合いに連絡を取ろうと思ったのですが、
メールも電話も無視されている状態です。
それで仕方なく警察に相談したのですが、
「換金などの処分行為がないと横領とは言えない」、と言われました。
要は、
「換金などしなければ物品はずっと返さなくても良い」
ということなんでしょうか?
借りた物をずっと返さないのは、横領にならないんですか?

<弁護士回答の概要>
警察の言い分は正しいと思います。
借りた物を返さないのは民事の債務不履行の問題です。
民事訴訟を起こして、返還してもらうほかありません。
民事の問題に警察は介入できません。
<私の考え>
まず、最初から返すつもりがないのに物を借りれば、
詐欺が成立しえますが、
詐欺の故意などを立証するのは困難です。
余程最初から相手があからさまに返す気がないという
ことを立証できないと難しいです。
次に横領に関してですが、
「こちらが催促しても、無視して貸したものを返してくれない」
という状態であれば、理屈の上では横領にはなると思います。(自分のものにした)
しかし警察としては、余程明確に横領していなければ、
(借りた物を、勝手に売ったとか、あげた、など実際に自分の物として処分した、ことまで求めている)
動けないということなのでしょう。
物の貸し借りは、一般的に「貸借」の問題で、
当事者同士で解決すべき民事の問題であり、
そして警察はそこまでは介入できないということです。
(民事不介入の原則というきまりがある)
・・・まぁ警察自身が仕事を増やしたくない、という思いもあるでしょうが。

どうしても相手を横領罪(貸したものを自分のものにした)
ということで刑事責任を取って欲しいなら、
相手が、
自分が貸した物を誰かに「売った」とか
「あげた」という証拠を見つけるべきですね。
昔、聞いた話で、
自分が貸した物がネットオークションかなんかで
ネット上で販売されていて、
そのページを警察官に見せて
横領で取り合ってもらった、
という話を聞いたことがあります。(たぶんこんな内容だったはず)

<参考までに>
警察法 第2条
(警察の責務)
警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締その他公共の安全と秩序の維持に当ることをもつてその責務とする。
2 警察の活動は、厳格に前項の責務の範囲に限られるべきものであつて、その責務の遂行に当つては、不偏不党且つ公平中正を旨とし、いやしくも日本国憲法 の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたる等その権限を濫用することがあつてはならない。
・・・これが警察が民事不介入の根拠ですかね。(たぶん)
別に警察官が警察法守らなくとも、罰則はありませんが。。。(…たぶん)
SH
<借り逃げ 借りた物 借り物 返還 横領 貸し借り 民事 債務不履行>