江戸時代の話。
江戸時代には “勘当” という制度が、正式に認められていた。
親が、ロクでなしな子供と縁を切る制度だ。
なんのために、わざわざそんな制度が認められていたのか?
子供が不良で非行に走って
悪いことばっかりしていて犯罪を犯したら
当時、その子供だけでなく、その子供の親などの身内まで
連帯責任として処罰されたり、白い目でみられることが多かったからだ。
なので、子供が不良になって、なにか悪いこと(犯罪)をしそうであれば
親は、あらかじめ、あとから、とばっちりを受けないために
親の方から子供と縁を切る、というのを
1つの自衛手段として、仕方なく認められていたのだ。。。

しかし、時代が時代ということもありますが、
特に娯楽もなく、仕事ばかりストレスの発散場所も少なかったので
悪ぶってグレる子供が多かったのか
それらの親は、とばっちりを恐れて
なにか小さなことがあれば、すぐに子供との縁を切ってしまうことが多かったらしい。
薄情かもしれないが、親自身もそうだが
身内が巻き添えを食らってからでは遅いのだ。
拷問じみた刑罰や取り調べが普通にある時代ですし。
親は、非行に走った子供との縁を切るために(勘当するために)
地元にある奉行所(役所)に行って申請して
勘当帳という帳面に、縁を切りたい子供の名前を
頼んで記載してもらった。
(この手続きで、子供との縁が切れた。)
まぁ、もしも、子供が改心して、真面目になったら
よりを戻すために、親が奉行所へ
その勘当帳から
いったんは記載した、自分の子供の名前を
消してもらうよう頼むこともあった。
(これが“帳消し”、という言葉の語源になっているらしい・・・
穏便に、なにも無かったことにして丸く収める)
しかし、大半の親は
子供が一旦グレてしまったら、とっとと早めに見切りをつけて
勘当して追放してしまい
あとから、それを帳消しにして
よりを戻すこともしなかった。

これを見かねた奉行所(役所)が
「ちょっと自分の子供に対する見切りが早すぎるんじゃ無いのか?」
「不良に走った子供の方もたしかに悪いけど
それでも、あんたらの実の子供だろ?」
「子供が親から勘当されたら
行く場所がなくなり(無宿者となる)
世の中にほっぽり出されて、以前より余計に悪いことをしだすから
あんたらだって、実の子供がもっと悪い奴になるなんて
そんなこと望むところじゃないだろ?」
「だから簡単に、親が子供を勘当するんじゃない!」
という注意勧告じみた、御触れ(法律、条例?)を出した。
まぁ、町の治安が悪くなりますからねぇ、
言っていることは、一見もっともなことのように思えますが・・・
そんなことをお上が言うんだったら、
子供が悪いことをしたら、その子供だけを罰して
極力、その親や親類まで罰せられることの無いように
とりはからうべきじゃないんでしょうか?
まわりが巻き添え食らうような厳しい制度自体を
見直した方がいいんじゃないでしょうか?
「すぐに勘当する親たちが悪い!」ということにするのではなく
もっと根源的なモノを変えていくべきでは?
まぁ、お上自身も分かっていたとしても
そう簡単に変えられないモノは変えられないのでしょうから
このように注意勧告する以外、どうしようもなかったのでしょうが・・・

それはさておき、余談 ですが、
私の住んでいる家の、むかいにある家に
母親と、20代半ばぐらいの無職の息子が、一緒に住んでいて
いつも毎晩夜中になると、すごい口論(喧嘩)をしているのですが
(こっちにまで聞こえてくる)
この前、ある日、夜中に、母親の方が、その息子を
家から追い出して
「お前なんか出て行け、もう戻ってくるな!」
とかなんとか言っていた。
それで、息子が自分の車に乗って、いったんは出て行ったのですが
行く場所が無かったのか、朝方4時くらいになると
また戻ってきて
自分の家の正面前に、車をつけて
クラクションをビービー鳴らして、
母親に家の中に入れるように迫っていたのですが、
(近所迷惑)
そこは、住宅密集地なので、ほかの近隣住民が
耐えかねたのか警察を呼び、警察官が複数人きて
「いますぐ家のドアをあけなさい!」と言って
母親が家のドアを開けたら、
ズカズカと警察官4人が、家の中に乗り込んでいき、
そのあと3,4時間くらい家の中で
警察官達に、詳しく事情を聞かれたり、説教されたりしていた。

そして次の日から
その家は、母親と、その息子も懲りたのか
家にいられなくなったのか
2人そろって、どこかへ行ってしまい
今のところ、ずっと空き家になっている。。。
まぁ、今度、喧嘩して警察でも呼ばれたら
交番か警察署に連れて行かれるかもしれませんからねぇ。
こんなことになるくらいなら
母親は、もっと早めに息子を勘当して
縁を切っておくべきだったなぁ?
とにもかくにも、これで町内の安眠妨害の原因が
すみやかに排除されたのでした、チャンチャン。
SH
切ったらいけない縁だと思って
「めんどくさいが仕方ない」と割り切って
そのまま切らずにいたが、
ある日、ためしに思いきって切ってしまったら、
別に特に問題はなかった
ということがあるんじゃないでしょうか?
しょせん、自分の思い込み。
どんな人との縁でも、血も繋がっていない他人であれば薄い薄い。
嫌な奴との、しがらみじみた縁なんて、
ちゃっちゃっと切って楽になりましょう!
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