<質問の概要>
売買契約を結んで、商品をお金を払って購入したけれども、
相手(売主)が商品を引き渡してくれないので、
民事訴訟を提起して購入した商品を強制的に引き渡してもらおうとします。
しかし相手が「売買契約なんか結んでいない」と、
売買契約の成立を否定して商品に引き渡しを拒んでいる場合、
売買契約を結んだという証拠
(売買契約書や、その場に居合わせた証人となる人)
が全くない場合でも訴訟自体提起できるのですか?
売買契約の存在を立証する証拠が全くない場合、
裁判所は訴状自体受理してくれないのでしょうか?
以上よろしくお願いいたします。

<弁護士回答の概要>
全く証拠がない場合でも訴訟を提起することは可能です。
訴状は受け付けてもらえます。
ただ、訴訟を起こす側に主張立証責任がありますので、
相手が売買契約を締結した事実をどうしても認めたりしなかった場合、
証拠が無ければ裁判所は契約の成立を認めない可能性があります。
契約は、契約書が無くとも口約束だけでも成立しますので、
その口約束を立証できるかどうかが鍵です。
以上参考までに。
<私の考え>
どうやら訴状を裁判所に出す際に、
証拠を一切添付しなくとも受理はしてくれるそうです。
今回、売買契約を結んでお金も払ったのに商品を売り主が引き渡してくれない場合を、
想定した質問を弁護士にしてみました。
相手が売買契約の成立を否定して、契約上の義務の履行してくれない場合、
売買契約の成立を原告が主張立証する必要があります。
それで、その売買契約を結んだ事実を、
原告に証拠が全くない状態で、
どうやって裁判所に認めてもらうのか、という方法を、
弁護士にいろいろ聞いてみました。
弁護士回答の概要でも言っていた通り、
契約書のない口頭の口約束のみの契約も、契約として有効なので、
訴訟を提起した原告が、売買契約書などを作っていなくとも、
原告の「いつ、どこどこで、相手と口頭でこういう売買契約を結びました。」
という原告自身の記憶を語る話(証言)も一応証拠にはなります。
その話を、もっと詳細に契約した前後の状況を説明して書いたものを
裁判官に対して 陳述書 として提出するということが一つ考えられます。
原告の主観的な話ということで、
一般的に信憑性は低く見られがちではありますが、
契約した前後の状況を詳しく書いてつじつまがあっていれば、
陳述書に書かれた事実を、裁判官が信じてくれる可能性も高いです。

また 当事者尋問 で、
裁判官に直接自分の話を証拠として聞いてもらうという方法もあります。
簡単に言うと当事者尋問とは、
裁判官の前で直接口頭で、自分の経験した事実を述べたり、
相手に対して、相手が主張した事実の真偽について質問したりすることができます。
大体裁判も後半になると、この当事者尋問が行われることが多いです。
裁判官の前で、自分や相手が述べたことは証拠となり、
裁判官が判決を出す際の参考になります。
この当事者尋問で、相手に質問して、
“売買契約が成立した日に(相手は成立を否定しているが)、どこで、なにを、していたのか“
を話させて、
相手の「売買契約を締結していない」という主張を
その主張の矛盾点をついたりして、ボロを出させて崩す、
という方法も考えられますね。
相手(被告)の失言も、自分の主張(売買契約の成立)を肯定する証拠となりえます。
ここまで、
いくつか売買契約の成立を裁判官に認めてもらう方法を述べましたが、
そのほとんどが物的な証拠(契約書とか)や、
人的証拠(契約成立時に居合わせた証人)がなくとも、
なんとか証拠を作り出そう、というものです。
しかし、そんな苦労をしなくとも、
相手がこちらの主張する事実を途中で全部認めたり、
裁判に全く出てこなかった場合には、
原告の請求が全部認められ裁判に勝てます。
そういうことも想定して、
証拠を訴状に一切つけなくとも、
訴訟提起できる仕組みになっているのかもしれませんが。
けれどもやはり、物的証拠(契約書)や人的証拠(居合わせた証人)が、
全くない場合 、訴訟で原告が勝てない可能性が高いと思います。
相手(被告)も当然それなりの反論はしてくるでしょうし、
そもそも契約の主張立証責任は、
訴訟を提起した原告にすべてあるので、
相手が契約成立の事実の否認をつらぬけば、
十分な証拠を持っていない原告が不利なのは間違いありません。
なので、やはりあらかじめ契約を結ぶ際に、
契約書などを作って残すようにした方がいいと思います。
契約書などの書面(物的証拠)は、
証拠の中でも裁判で、一番信憑性が高いものと扱われていると思います。
・・・今回の記事はこんな感じでしょうか、
また内容を修正したりするかもしれません。
あくまで参考までにお願いいたします。
SH
はじめまして、法学―身近なのに知らなすぎる「これって法的にどうなの?」
<訴訟 証拠 無い 立証 裁判>