妊婦が殺された、としても、刑法上
その妊婦の腹の中にいた“胎児”は、人とはみなされないので
殺した犯人は、妊婦1人の殺人罪として処罰されるのですが
その際、やはり 妊婦(の腹の中にいる胎児を含めて実質2人)を
殺した ということで
その犯人の量刑は、
普通の1人の殺人罪に比べて重くなったりしないのか?
、、、、、と疑問に思った。
民法上では、胎児には一応、相続権は認められていて
母の腹の中にいる時に、父が死んだりしたら、
相続できることになっています、、、、、、
(まぁこれも完全に認められている権利ではなく
生きて無事に生まれたら、、、、
という前提で留保されている権利なのですが。)
とにかく民法上、胎児は普通の1人の人間として
権利能力が認められている、、、、、
認められることがあるということです。

しかし刑法上、胎児は殺人罪などの
被害者となりえる“人”とは見なされていません。
刑法では、一部露出説というものがあって
胎児が人とみなされるのは
母親の産道から頭(体の一部)が出たときに、
人とみなされて刑法上、被害者として保護されることにはなるのですが、、、、
まぁ実際には、胎児は完全に母親の腹から出て生まれた時に
人とみなされて殺人罪とかの犯罪の被害者になりえる、ということですね。
だから妊婦が殺されても、妊婦1人しか殺されたことにはならず
腹の中でそのまま亡くなってしまった胎児はカウントされないのです、、、、、、、
う~ん、どうしてこうなった。
とにかく、そういう場合、犯人は妊婦1人しか
殺していないということになります。
だから、
今回、その場合に少しでも犯人の罪が重くならないのか?
刑法上、胎児は保護されないけれど、その分なにかしら
妊婦を殺した犯人の罪が重くなるように
取りはからっていないのか、疑問に思ったのです。
それで、弁護士さんに今回の疑問のことを聞いてみたところ
「 妊婦を殺したら、普通の1人の殺人よりは罪が重くなる傾向は有る。
ちゃんと裁判官はそこらへん考慮に入れている。
しかし、実際にどのくらい重くなるのか、など具体的なことは
ケースバイケースだから、なんともいえない 」
、、、、、、みたいなことを言われました。

日本では通常、
人を1人殺したら、大体10年以上の懲役か、無期懲役。
2人殺せば、死刑になる可能性が高くなる、とか言われていますが、、、、、
妊婦を殺した卑劣漢(ひれつかん)は、
一応、刑法上、人を1人しか殺していないことになるが
実質、胎児を含め、人を2人殺していると思うから
量刑は、死刑に近くなるのか?
私が過去妊婦を1人殺した事件をいくつか調べたところ
大体、懲役20年前後 (17~21年)になっていることが多かった。
妊婦1人殺して死刑になっている奴はちょっといなかった。
人が、人を1人殺した量刑相場を調べたところ
大体、懲役10~15年くらいが多かったので
これくらいが、人を1人殺した場合の刑罰の相場なんでしょう。
(残虐な事件をのぞく)
これと比べて、妊婦の殺人が懲役20年前後であれば
多少なりとも普通の人、1人を殺した量刑よりも
重くなっているとは、、、、、一応、いえるんじゃないでしょうか?
ほんの多少のことのように思えますが、
一応、殺されたのが妊婦であること
そして腹にもう1人の命があり、それが失われたことは
考慮はされて量刑を決められていると
いえるんじゃないでしょうか?
<量刑 判断>