うろ覚えで書きます。
どこぞでは、裁判で勝つためには、
依頼された弁護士は
裁判官や、一般人からなる裁判員など、
裁判の参加者達、つまり判決への影響力のある人達から、
依頼人の境遇などに関して同情されるように、もっていかなければならない。
そうすれば可哀想だということで、同情されて、
判決に有利になることもあるからだ。
そして、そのためには法廷で弁護士が十分に依頼人の今までや、
現在の境遇を、皆に説明してあげなければならない。

そこで、とある弁護士の話をする。
その、とある、なりたての新人弁護士が、
緊張しながら、
初めての依頼での裁判の法廷の場にたったのであった。
ついこの間、弁護士になったばかりの新米であるが、
がんばらなければならない、、、!、と思いつつも、
やはりそう思えば思うほど緊張してあがってしまう。
みんな僕のことを見ている~。

そして、まわりの視線を感じる中、弁護士が頑張って、
ついにしゃべり始めた。
「・・・えっ、、、え~、と、、、
わ、、、私の受け持つ、今回、、、し、審理の対象となるぅ、、、、
い、依頼者ぅわぁ~、、、えっと、、、、、、」
、、、などと、しどろもどろに話し始めた。
しかし、まわりの人には、声も小さく、言葉がつっかえてどもるので、
その弁護士が何を言っているのか、よく聞きとることができない。
「ナント言っているのか、よく聞きとれません。
もう少し、はっきりと大きな声で!」
、、、と、裁判官から促されて、また弁護士が喋り出したところ、
「え、え~ッ、、、ハ、ハイッ、
い、依頼人はぁ~、た、とぁいふぇん、、、
か、か、か、かわいそうな人でぇ~~!!」

・・・それに続けて、その弁護士はもっと緊張し始めて、
さらにどもりながら、堅くなり、声も裏返りなりながら、
とうとう内容も聞く人に、よく分からないような、
意味の分からないことを喋りまくった。
まわりで、その話を聞いていた人は、みな、あきれはてた。
そして裁判官いわく、
「つまり、アンタの依頼者は、可哀想な人だって言いたいんだな?」
そしたら、弁護士いわく、それに答えて、
「ハ、ハイッ!、、、そ、そ、そゅ、そうですぅ!!↑」
、、、と、答えた。
それを聞いた裁判官は、苦笑いしながら、
「たしかにアンタの依頼者は、とても可哀想だと思うよ・・・」
、、、と言った。
ある意味、弁護士は、
依頼者の境遇を、
みなに同情されることに、
しっかり成功したのであった。
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