コンビニやスーパーの店員が
万引きの現場を発見して、その場でちょっと万引き犯を捕らえてしまったとします。
そして、警察を呼んで
事情を伝えた上で、簡単に現場検証をして、その万引き犯を引き渡しました。
しかし、そのあと、警察から
「もっと詳しく捕まえた状況について聞きたいので
あとから警察署まで来てくれませんか?」
と電話がかかってきたとしましょう。
めんどくさいからと、無下に断ることもできないので
その店員は、店での日常の仕事が終わった後にタイムカードを切って
そのまま署まで事情を話しに行ってきました。

それで、その万引き犯を捕まえた店員が、署まで事情を話しに行っている時間も
「労働時間」に含まれるのか?
というのが、今回の話になります。
もしも労働時間(勤務時間)に含まれるようであれば、
かかった時間分の賃金をもらうことができますよね。
( ・・・余談ですが、なんというか
万引き犯をたまたま捕まえて“しまった”店員や、万引きGメンとか
たまに、今回のように警察にあとから呼び出されることがあります。
万引きGメンであれば職業柄、仕方ないことですが
ただのバイト店員にとっては
面倒きわまりないですので、1回こういうことを経験すると次からは
もう万引きを発見しても、捕まえると面倒なことになるから
捕まえずに無視して放っておこう、と考えるようになるのです。 )

それで弁護士さんに聞くところによると
労働時間になるかどうか、というのは
会社の指揮命令下でその任務を遂行しているかどうか、による、とのこと。
そして今回のように、店舗で万引き犯を捕まえて
一旦警察に通報してその万引き犯を引き渡した後に
呼び出されておこなわれる事情聴取は
会社の指揮命令下にある任務として、労働時間にあたる、と言っていました。
警察からの依頼であるとはいっても
会社からの指示であるのと同視できると考えられるらしいです。
つまり、通常の仕事の延長戦上の出来事だから
ちゃんと賃金はもらえるということですね。
まぁ、それでも警察署に行って事情を聞かれるのはゴメン被りますが・・・
・・・・・それと今回、
もうひとつオマケとして、同じような話として別の例をあげます。
仕事中に営業の社員が、車の運転で 交通事故 を起こして
警察へ行って取り調べを受けて、事故の状況とか話しに行ってきた時間も、
労働時間に含まれるのか?ということも
今回の万引きの話と同時に、弁護士さんに質問してみました。
一見、仕事中に起こったことだし、仕事の延長線上の出来事のように
思われるので、労働時間に含まれるのではないか?と思うのですがね。。。。
しかし、弁護士さんいわく
営業回り中の交通事故で、警察へ行って取り調べを受けるのは
会社の業務中の事故とはいえ
事故を起こすこと自体は、会社が想定している業務ではないので、
事故の結果、警察から取り調べを受けることは
会社の指揮命令下での任務とはいえないので
労働時間にはあたらない、とのこと。
事故を起こして、まわりに損害を与えることが
会社の指揮下での任務の範疇にはないということですね。
そりゃそうだ。
会社が望んでいないこと(交通事故を起こすこと)で
かかった余計な時間についてまで
会社は賃金(給料)を払う必要はない、ということですね。

つまり、労働時間かどうか?というのは、簡単に言い換えるなら
会社のために費やした時間かどうか、ということですね。
客観的に見て、会社のために費やした時間であると思われるのであれば
(万引き犯を捕まえて、その後始末のために警察に事情を説明する時間とか)
その時間に対して会社は賃金をやるべきだが、
そうでない時間であれば
(営業中に事故を起こしたことでかかってしまう無駄な時間)
そんな時間に対して会社は賃金を与える必要はない。
至極当然のことですね、すごく今の現代社会の理にかなっていますね。
おすすめの本
会社から、
「あんたの働いている時間はほとんど労働時間にあてはまらないから
その分の時間の賃金払わないよ」
とか理不尽に言われることがあると思います。
それで、会社に在籍している時は、請求しにくいので
会社にいる間は、働いた時間を計算する上で必要な証拠を集めておいて
それなりに証拠も集まれば、会社を辞めた後にでも
まとめて、支払ってくれなかった賃金分を請求してみましょう。
労基に言ってもいいですね、未払い賃金案件なら取り合ってくれますよ。
あと、「1人でできる」と書いてありますが
会社との交渉や訴訟となると
やっぱり弁護士さんに頼った方がいいと思います。
もらえなかった賃金を必ず勝ち取りたければね。
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