江戸時代の話。
とある町人が、とある武士を訴えた!
その内容ないし理由は、
町人が武士に、今で言う100万円ほど頼まれて貸してあげたのに
約束の返還期限が過ぎても、返してくれない。
なので、町人は、今で言う裁判所である奉行所に
その旨、訴え出た。
・・・まぁ、なんというか、武士が一応、当時、身分が一番上にあったとはいえ
金を貸してくれた町人から普通に訴えられて
( まぁ町人とはいえ、その町人は材木の商人らしいですが )
それが、ちゃんと奉行所(裁判所)に受理されて審理されるものなんですねぇ
当時でも・・・やっぱ、いつの時代も金持ちは力を持っている。
いや、それとも、お上としても、一般の武士に対しては
金の貸し借りに対してのケジメくらいは
ちゃんとつけさせる方針だったのか?
、、、でないと、武士に、すすんで
金貸してくれる人がいなくなってしまいますし。。。

で、それで、奉行所は、金を貸した町人本人と
その金を借りて返さない武士の家の“家来”を呼び出して事情を聞くことにした。
武士の家は、本人では無く、家来 がきた!
どうやら、その家来は、その武士の家の経理仕事に勤めている人らしい。
それで、奉行所は
双方の意見やら主張、事情を、それなりに聞いた上で
( 詳しいことは分からないが、どうやら )
「 武士の方は、借りた額全額、すぐに返すって言うのはコクだろうし、それなら
今返せる額だけでも無理なく、ほどほどにまとめて
町人の方に返した方がいいだろう!
さっそく返してあげなさい! 」
、、、的な、和解案(裁判当事者双方、お互いに配慮した奉行所の考え)を
両者に提示した。。。

それに対して、町人の方は
「 まぁ、まったく貸したお金が返ってこないより、
すぐにでもいくらか返ってくるのであれば、それで、まぁ、いいし
なりより奉行所が、せっかく出しくれた和解案ですし、
それに従うほかないでしょう・・・ 」
、、、みたいな感じで受け入れたが、
反面、武士(家来)の方は、
「 いやいや、ちょっと待ってくださいよ!
なんで町人なんかに、今すぐ金を少しでも返さなきゃいけないのですか!? 」
、、、みたいな感じで、奉行所の提示してくれた、せっかくの和解案に
不満の色を示し、さらに反論までした、、、、、、、
コレがいけなかった!

奉行所側は、その反論までした武士の家来に対して
「 なにぃ~、生意気な!お上が出した見事な和解案に
少しでも不満があるというのか?・・・けしからん!! 」
、、、ということで、奉行所の出した和解案に
素直に、そしてすぐに同意しなかった、
その武士のところの家来を遠いところへと “島流し” にした。
( つまり流罪にした! )
・・・ん?ん? どこからツッコめばいいんだ ???
まず、なんで、金を貸した返せだの、という 民事裁判 で
裁判の当事者のうちの一方が
“島流し”なんていう刑事罰を受けるハメになるんだ?
コレ刑事裁判じゃなくて、民事裁判やってましたよね!?
( いつから刑事事件になったんだ? )
しかも、刑事罰を受ける理由が、奉行所(裁判所)の提示した
“和解案”、ないし調停案を
そのまま飲まなかった、とかであるとか、、、なんともまぁ厳しいことで。
現代の民事裁判であれば(・・・現代と比べるのもアレだが)
裁判所の提示した和解案を、裁判の当事者の一方が
(訴えた人、訴えられた人、のどちらか一方が)
「受け入れられない!」、、、ということであれば
当事者の意見を排除して、裁判所が審理の結果、
独自に判断して出した、ほぼ確定的な判決(結論)を出すだけなのに、、、、

お上(裁判所ないし、奉行所)が、がんばって考えた
お互いに譲り合いましょう!的な案に
訴えられた武士側が、ちょっと噛みついたら
「 けしからん! もう容赦しないぞ! 」
みたいな感じの対応されるとは・・・・
しかも、罰を受けたのは、訴えられた武士本人じゃなくて
その武士の家の家来だし。
(一応、経理担当の人ではありますが)
・・・たんに、雇い主にである武士本人の考えを、代わりに伝えただけだろうに、
すぐに牢屋にぶちこまれた後、島流しにまでされてしまった!
お上としても、さすがに武士本人に罰を与えるのは
あんまりだと思ったのか
( それとも、そこまではできなかったのか? )
お上のメンツを保つために
とりあえず、金借りた武士本人の身代わりとして
その家来に、代わりに罰を与えることにしたのか、、、
あと肝心の町人が、武士に貸した金は、ちゃんと返されたのか?
という疑問があるのだが、、、
そのことに関しての記録だけは残っておらず
たんに、武士の勘定方をつとめていた家来が
和解案に(少し)反対して罰せられた、、、、、
という記録しか残っていない、、、、という。
( もしかして、経理の人間を島流しにするから、
それで借金の件は勘弁してくれってことか?
これが江戸時代式の和解なのか? )

つまるところ、裁判所ないし、奉行所などの“お上”としては
町人と武士の間の金銭の貸し借りが、
最終的にどうなろうが、知ったこっちゃないのだ!
一番の問題は、お上の出した考えに
裁判に参加したヤツラが素直に従ったかどうか、、、もしも、
逆らった奴がいたら、それは大問題なのである!
借りた金を返そうが、どうなろうが、しょせん他人事だし
そんなことを別段、とがめたりはしないが、
お上に逆らう奴がいたら、そいつは、どうしても処罰しなきゃならん。。。
(江戸時代の)お上は超エラいのだ!
そしてその偉い人に逆らったら、ダメなのだ。
何人たりとも許すことはできない、、、ってこと。
おすすめの本
人の感情の動きを、よく読むべきだ、、、ということなのか?
まぁ人間っていうのは、その時々の感情ないし
直感で考えて動きますからね、実際。
相手のこれからの動きを読みたいのなら、、、そうなんでしょう。
私としては、自分のその時々の
感情から生じる、“直感”に素直に従って動くことこそが、大切だと思います。
なぜなら人間はよく考えて動くよりも
自分のなんとなくの直感に従って動いた方が、上手くいくことだって多いから。
特に判断・決断に迷ったときこそ。
いままでの積み重ねてきた経験とかが
“直感”に、かなり反映されているでしょうか?
思考するまでもなく、結論は出ている!
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