戦国時代だったかの下級兵士(足軽)の話。
とある足軽が、
戦場で敵のクビ(クビから上、、、つまり頭)をとって
それを持ち歩こうとしたのであるが、
(討ち取ったクビを持っていって、それで褒美だか、給料がもらえる。
つまり自分が戦場でちゃんと働いた証拠が、そのクビである)
それを見ていた仲間が、さすがにそのクビを戦場で
持ち歩きながら、さらに戦ったりするのは大変そうだ。
重いだろ?
今は、まわりに味方達しかおらず、ちゃんとみんな見ているのだから
敵の遺体からクビから上を丸々とって
わざわざ持ち歩こうとせずに、鼻だけそぎ落として
それを持ち歩けばいいではないか!
、、、とか助言された。
本来、クビから上を丸々とって、倒した敵の顔がわかるようにして
持ち歩かないといけないのであった。
なぜなら鼻だけとかの(あとは耳とか)頭の一部だけ
持ち歩いていたのでは、もしかしたら
味方をだまし討ちしたり、
はたまた味方が敵と戦って討たれた遺体の頭から
きりとった物なのかもしれないという疑いをかけられたからだ。
だから誰の顔か、せめて味方陣営にいた顔ではないことを
ちゃんとクビを検分する時に分かるように
しっかり頭から上の顔が分かるようにした方が良かったとか。
でも、今は味方がまわりにて、あなたが自分が討ち取った
敵の遺体から、クビから上ではないが、
しっかりと鼻を削いでいるのを見ていますから、
そんな味方を討って鼻をとったとかの疑いをかけられる恐れが
ないので、安心して鼻だけとってもいいですよ、とか言われた。
で、それを聞かされたとある足軽は、、、まぁならば良いか~、と
安心して鼻だけそいで、それを持っていくことにした。
・・・で、その鼻を持ち帰って検分役の人に
敵を討ち取ってきました、鼻だけですけれども、
ちょっとクビから上を持ち帰るのは重かったものですから、、、
とか言って、鼻だけを見せたのであるが、、、
まぁ味方の鼻をそいだ、という疑いこそかけられなかったものの、
鼻だけでは、その鼻の持ち主が男か女か判別できないではないか・・・
せめて、本当に男(敵の兵士)を討ち取ってきたのであれば、
唇から鼻にかけての部分を削いでくるべきであったのでは?
そうすれば、男にあるはずのヒゲが確認できるから、、、とか言われて
恩賞というか、論功行賞というか、
とにかく褒美はまったくもらえなかったらしい。
なんというか上の方が、鼻だけ削いできた怪しいヤツに
金を与える気がなかったのか、
または実際に、近隣の村とかに行って、力の弱い女だかを襲って
鼻だけ削いで敵兵倒しましたよ~、と
虚偽申告してくるヤツがいたのか、どうか。
とにかく最後の詰め(証拠をちゃんと誰にでも分かるように持ってくる)
が甘ければ、
どんなに戦場でがんばっても、難癖つけられて
一銭たりとも貰えないなんてこともあったということですねぇ。
とにかく人の言うことを疑いなく、そのまま信じるな。
鼻だけでも十分だ、とか言った人は、
助言をしたという感じではなく、もしかしたら知っていた上での
嫌がらせをしてきたのかもね。
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