江戸時代の話。
一緒にニセ金を作っていたAとBという人がいた。
2人は親子でして、Aが子供、Bがその親であった。
2人とも、普段は、
こまかい金細工の飾りとかつくる仕事をしていて
とても手先が器用であった。
しかし、その2人で、仕事の合間に
がんばって作ったニセ金を両替して
本物のお金に換えたりしたり、
またはニセ金で米を買ったり、と
少しずつニセ金を地道に、自分たちで使用していたら、
そういうのを、ウワサを聞きまわったりして
日頃から市中を捜査してまわっていた
下っ端の警察官の警戒網にひっかかってしまい、
自宅とかでニセ金を作っていたことがバレてしまい
その2人はつかまってしまった。
それにしても、また
その2人が作っていたニセ金が、かなり精巧なモノであったらしい。
職人カタギの性格からなのか
お金の素材の純度から、重さ、形まで
素晴らしい出来映えであったとのこと。
当時、町中で庶民に使われていたお金というのが、また
お上が作った、もちろん本物のお金ではあったのだが
たびたび回収しては、素材の純度とかを下げたりして
作り直した、安っぽく粗悪なお金が多く
出来映えはヒドいモノであった。
なので、その2人が、かえって本物のお金よりも
精巧なモノを作ってしまったせいで際立ってしまい、
バレてしまったのではなかろうか?
ということが言われた。
もっといい加減に作っていれば
本物のお金と違いが無く
バレなかったのではなかろうか?と(笑)
それに、ちょうど、その頃
都市部の方での、どこぞの壁のラクガキでも
「お上の作っているお金は、あまりにもヒドいので
お上自身がニセ金を、率先して作っている!」
みたいなことが、書かれていたとか。
で、その後、捕まったAとBはどうなったのか?、、、というと
親であるBの方は、市中をひきまわされて
さらし者にされたあげく、ハリツケにされて
「コイツはニセ金を作った犯罪者です!」
と書かれた看板が、側に立てられた上で
脇腹をヤリで刺されまくって処刑された。
子の方であるAは?というと
Aは実は以前、お上から頼まれて
公共事業で必要な、立派な金細工を作ってくれたから
ということで
町から追い出されるだけで済んだそうな・・・
それだけでこの対応の差が生じるのか。
それに、たしか、一応、
子であるAの方から
親であるBに
「一緒にニセ金を作ってみようぜ!」
と、ニセ金作りの話を持ちかけた上で
Aが率先して作っていたはずなのであるが、、、しかし、
とりあえず、この時代の、量刑の軽重の判断基準の中には
罪人でも、お上に仕事上とかで
今まで貢献したことがあるか、どうか?
ってことも含まれて、重視されていた、
ということなのか・・・
<江戸時代 落書き 偽物 偽金 発覚 職人 純度 粗悪 鋳造 悪貨 贋金 贋金造り 造り 過ぎたるは及ばざるがごとし 悪銭>