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人を騙して、自分の保証人にするのは犯罪か?

 

 

たとえば、

自分の知り合い(または友人)から

「俺の親が病気で、それを治すために必要な

病院での治療費を借りようと思うのだけれども

そのためには保証人がどうしても必要なんだ・・・・

すまないが、俺の保証人になってくれないか?

一時的でもいいからさ、頼むよ」

といった感じで、嘘(偽り)の事情を話されて

その話を真に受けて信じてしまい同情して

「お前の頼みなら断れないぜ!引き受けた!」

とか言って返事をして、

保証人(または連帯保証人)になってしまうような人が

たまにいます。(いるんだなこれが・・・)

 

それで、今回、上記のような感じで、

人を騙して保証人にさせてしまうことが

犯罪になるのかどうか?

弁護士さんに聞いてみました。

 

 

そしたら弁護士さんは、

「嘘をついて保証人になって欲しいと頼んで

保証契約をむすばせるのは

嘘をついて騙した人は財産上の利益を得たといえるので

“詐欺罪”になるでしょう

、、、、と言っていました。

 

通常、刑法上の詐欺罪というものは、

人を騙して金や物などの形ある“財物”を交付させないと

成立しないのですが、今回の場合

「保証人になってもらう」ということが、

財物に代わる、“財産上の利益”だとみなされて

その財産上の利益を騙して交付させた、ということで詐欺罪が成立します。

それで、その財物ではない、財産上の利益とはなんなのか?

について、ちょっと話していきます。

 

一応、詐欺罪の条文をはっておきます。

 

(詐欺)

刑法 第246条

1項 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

2項 前項の方法により、

財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

 

・・・簡単に言うと、

財物とは、金銭や物のことを指していて、一方

財産上の利益とは、財物以外の目に見えない利益のことを指しています。

たとえば、

「借金をチャラにしてもらう」「無料で車に乗せて運んでもらう」といった

直接人の目には見えないけれども

サービス的な行為を、人からしてもらうことをイメージしていただければいいと思います。

 

そして、普通、詐欺といったら

詐欺罪の条文の1項にあたる“1項詐欺”のことを指し、

まれに条文の2項にあたる“2項詐欺”の事件が起こる、っといった感じです。

 

 


それで話は戻って、今回のような

人を騙して保証人になってもらうケースでは

詐欺罪が成立して犯罪になる、というようなことを弁護士さんは言っていましたが

それはあくまで理屈上の話です。

実際には今回のような案件程度で、警察は詐欺事件として動いてくれないみたいです。

 

詐欺の故意、つまり本当に騙す気があったのか?という認定が

今回のような詐欺案件では難しいので、なかなか警察は事件化しにくいようです。

残念ですが、これが現実ですね。

 

 

まぁ、事件化して警察を動かす刑事手続きが

困難で上手くいかないのであれば

民事訴訟を起こして

保証人になるという契約をなかったことにする、

という民事手続きの方はどうなのか?

ということをザックリ話していきます。

 

 

まず、手始めに

騙されて保証人になってしまったということで

民法上の詐欺による取消(民法96条)を裁判で主張して

契約を無かったことにする、というのが基本です。

 

しかし、民法上の詐欺が成立する条件がなかなかシビアですので、

無理そうだ(裁判で主張が通らなそうだ)と思った場合には、

今度は

騙された、というよりも

自分自身の勘違いで保証人になってしまった

ということで

民法上の錯誤(民法95条)による無効を主張して

契約を無かったことにする、という流れになります。

 

 

でも、民法上の錯誤もなかなか成立しにくいので

これも無理であったら、民事手続きの方も上手くいかないということですね。

刑事手続き、民事手続き、ともに今回のような場合望めないということです。

 

 

つまり、いったん誰かの保証人(または連帯保証人)になってしまったら

あとから「しまった!」と思っても、

救済してくれる措置もほとんどなく、どうしようもないってことですね。

せめて、弁護士にでも泣きついて、これ以上傷口を広げないように

手段をつくすことぐらいしかできません。

 

だから、

最初から誰の保証人にもならないように

気をつけておくのが、

騙されて保証人になってしまって苦労しないようにするための

最善の対処法といえるでしょう。。。。

 

 

※ 余談ですが、

通常、保証人は

「自分の保証人になってくれ」と頼んできた人ではなく

その頼んできた人に

“金を貸した人”との間で保証契約をむすんでいます。

保証人と頼んできた人との間では

なんの契約も、むすばれていません。

 

なので、「ちょっとの間だけ保証人になってくれればいい」

と言われても保証人になっても

保証人になって欲しいと頼んだきた人に

金を貸した人の許可が無いと保証人から抜けられませんし

そんな許可を出す金貸しなんていません。

 

 

 

 

SH

 

 

 

 

連帯保証人とは何なのか、説明した上で

連帯保証人になってしまった何人かの苦労した体験談と

連帯保証人になるように頼まれた際の上手な断り方などについて書かれた本です。

あともし連帯保証人になってしまっても、

多少請求を緩和する方法なども載っています。

 

連帯保証人になると、のちのち

「あっ~~、しゅっごいのぉっ↑↑ !!」 って感じになるみたいです。

 

というか保証人にしろ、連帯保証人にしろ

(普通の保証人よりも、連帯保証人の方が責任重い)

なんで、なった人が苦労することが分かっているのに

こんな制度がいまだに存在しているのか?

 

それは、こういった制度がないと、金を貸す側が安心して

誰にでもお金を貸せなくなり、特に

貧乏人がお金を借りれなくなるからです。

 

貧乏人でも、いざという時に自分の代わりに金を返済してくれる

保証人を一人たてるだけで、スムーズにお金が借りられるようになるので

やっぱり、保証人制度がないと、せっぱのつまった貧乏人が

窮地の時に金を借りれず、破産するしかないという状況に追い込まれてしまいます。

 

でも、この制度を考えたのは間違いなく、金の貸し手側となる裕福な人達でしょう。

自分たちの貸した金がどんな場合でも、

ちゃんと回収できるように都合のいい仕組みを考えて作ったのです。

 

 

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