江戸時代、幕府が、あくまで庶民のためではなく
幕府内の財政再建のために
何度か、一般に出回っている金貨、銀貨を集めて
それらを一旦溶かして
それらの貨幣に含まれている純粋な金や銀だけを抜き取って
それを幕府の懐に入れ、
貨幣から抜いた金銀の分を変な物を混ぜ合わせることで
もう一度、普通の貨幣として、世の中に放出して
幕府だけ大儲けした、という話は
知っている人は知っている有名な話。。。。
その上、幕府は、
一般の庶民とかには
身の回りで使っている物で金や銀が使われている製品を
使うことは、うるさく厳しく取り締まったりした、、、
なんてやつらだ・・・
一般的な物では、櫛(くし)とか、煙管(きせる)とかに
おしゃれに金銀の装飾とかが少しでも付けられていたら
「けしからん!使用禁止だ!」
ということになった。
また商人が店で売るために仕入れてた物に金銀が使われていたら
それらを販売停止処分とかにした。
(何という横暴・・・)
そのうち幕府は、さらに調子に乗って
「お前ら一般庶民どもが、今まで自分たちの身の程もわきまえずに
金や銀が使用されている製品を所持して、日常的に使用していたことは
今更、とがめたりはしない、、、感謝しろ!」
「しかし、もし、いまだに、そういう分不相応の製品を持っているのであれば
すぐに残さず持ってこい!
それなりの代金で俺らが買い上げてやる!どうだ!」
とかいう、お触れ(法律というか命令)を出してきた。
何様のつもりだ?
というか、なんで、そこまで金銀製品を欲しがるのか?
理由は簡単。
先ほども述べたように
幕府は純粋な金銀が使われている物を買い集めて
それらから純粋な金銀だけを抜き取って得をしようとしている。
そして抜いて余った不純な金銀に、さらに異物を混ぜて
貨幣として作り直して増やし、それらを市中に流そうとしている。
もちろん、それらは金銀の純度の低い粗悪な貨幣で有り
それほどの価値も無い。。。
一般庶民、、、そういうことに敏感な商人は言うまでもなく
町人達も、こういう
幕府の下心的な意図は、すでに察して理解していた。
どうせ、純粋な金や銀の使われた高価な製品を素直に持って行ったとしても
まぁ、その分の代金は一応払ってもらえるだろうが
こちらが差し出した製品と比べて
その代金として渡された貨幣は
極限まで金や銀の含有率を少なくした粗悪すぎる貨幣だろうし
こちらが大損するのは、すでに分かりきっていることですからね。。。
なので、誰も、幕府の “持ってこい!” という、命令ないし、お触れには
従わずに無視していた・・・
そしたら、幕府はキレて、
「こんなに金や銀が使われている製品を持ってこいって再三言っているのに
しらばっくれて持ってこない奴等がたくさんいるとは何事だ!
もしも、これ以上、隠し立てして手こずらせるようであれば
お前らの家まで役人を出向かせて連行して取り調べて
処罰するぞ!!」
とか、挙げ句の果てには言い出した・・・
しかし、それでも、やはり、
誰も自分から
高価な所有する金銀製品を持って行き
わざわざ粗悪な貨幣と交換して、損をするような
馬鹿なマネはしなかった、、、当然ですよね。
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