他人に金を
「頼む、一時的に預かってくれ!」と言って、預けたとしましょう。
( 貸し付けたわけでは無い、あくまで預けただけです )
それなのに、預けた人に
その預けておいたお金を、ギャンブルなどの遊ぶお金に
勝手に使い込まれてしまった。。。。
その場合、もちろん、お金を預かって使い込んだ人は
横領罪 になるのですが、
それとは別に、
金を預けた人は、預かって横領した人に対して
「使い込んだ金を返せ!」と、理屈の上では
当然、請求することができるのですが
横領罪などの犯罪が成立する刑事的な問題とは別であり
このように使い込んだ金を返せ、などというのは
民事的な問題のハンチュウのことでして
預かって使い込んだ人が、自ら進んで自主的に返してくれないのであれば
預けた人は、民事訴訟を起こして請求して
返還をせまらなければならなくなります。
この時、民法上、いや法律上、どのような理屈に基づいて
訴訟ないし、裁判で返還を求めていくのが効率(都合)がいいのでしょうか?

まぁ、普通に考えて
金を預けた人は、勝手に預けた金を使い込まれて
横領という名の犯罪(不法行為)の被害を受けたのですから
民法709条の条文に基づいて、“不法行為による損害賠償請求”を
裁判で主張していけばいいと思います。
ただ、私が今回、気になったのは
民法709条の不法行為の条文以外の(法的な)理屈にそったとしても
請求できるのではないのか?、、、ということ。
たとえば、代わりとして
民法703条の“不当利得返還請求”はどうでしょうか?
( あとで、これが何なのか簡単に説明はします・・・ )
裁判で、これを主張して返還を請求することはできるのか?
認められるのか?
弁護士さんに聞いてみました。

まず、他人に一時的に金を預かって欲しい、と言って
金を預かってもらうこと自体は「寄託契約」(きたく、けいやく)という
契約を結んでのやりとり、であります。
つまり、そういった寄託契約という
民法上、定められている契約を結んで
その契約を原因として、というか、その契約に基づいて
お金を人に預けているわけであります。
このことを、「法律上の原因がある」と言います。
しかし、金を預かった人は
寄託契約に基づいて、金を預かったとはいえ
その金を勝手に使い込んで横領してしまう、というのは
それは、最初に結んだ寄託契約によって与えられた
金を預かった人の、
金の管理権限を完全に逸脱(いつだつ)してしまうわけでして・・・
( 寄託契約によって、金を預かった人は
金を預けた人から、「金を返して!」と言われるまで
そのまま単に、金を預かっていることだけしかできません )
横領する、ということは、もちろん当然
最初に結んだ寄託契約に基づいた行動ではないので
法律上の原因が無い(契約に基づいていない)とみなされます。
金を預かった人が、最初に金を預かった時点では
その金は、
契約に基づいて預かった正当な利得(正当な理由で持つ金)なのですが、
横領して使い込んでしまった、、、ということであれば
その使い込んだ金、その金額分は
不当な利得(不当に持つ金)だとみなすことができるので、
その使い込まれた不当な金を
使い込んだ人(金を預かった人)自身に
民法703条に規定されている“不当利得返還請求権”をもちいて(主張して)
返還請求することも可能だ、、、と、弁護士さんから言われました。

まぁそれでも、やはり普通は、裁判とかでは
民法709条に規定されている不法行為での請求を主張して
預けて横領された、使い込まれた金の返還を求めるのが
セオリーなのではないでしょうか?
とりあえず、一応、
今回のような預けた金を横領されたケースの場合には
代わりとして、不当利得返還請求権を主張しての
返還請求も可能である、、、
ということだけは、
できれば知っておいた方がいいのでは?、、、ということ。
実際に、このことを知っておいて役に立つかは分かりませんが、
( 役に立つような状況にならないように願います )
もしも、裁判で、不法行為による損害賠償請求を主張してみて
手応えが無く、裁判所に上手く認められそうにない時には
不当利得返還請求を主張していかがでしょうか?
SH
中2の主人公が、変わったクラブに放り込まれて
そこにいた大富豪な家庭の美少女ととも
顧問から、おカネについての講義を受けることに、、、
という内容の本。
金を手に入れる方法には
① 稼ぐ ②ぬすむ ③もらう ④かりる ⑤ふやす ⑥???
という6つの方法がある、という・・・
② の“ぬすむ”って(笑)
あと、⑥の“???”って、何だろうか?
まぁ、とにかく学園物の話(小説みたいな)をやりながら
おカネについての勉強ができるらしいです。
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<金 預ける 横領 返還 請求>