<質問の概要>
従業員が、
自分の勤めている会社の脱税とかの証拠になりそうな不正帳簿を、
勝手に社長の机の引き出しから取り出して、
脱税告発のために税務署に持っていったら、
その際に、
その従業員は窃盗罪で立件されてしまいますか?
税務署から検察とかの捜査機関へ、
連絡されると思いますが、どうなるのでしょうか?
以上、よろしくお願いいたします。
<弁護士回答の概要>
理屈上は窃盗罪に当たるでしょうが、
告発目的であるため、
検察(または警察)は立件まではしないと思われます。
その不正帳簿により、捜査のきっかけにはなるでしょうし、
一応刑事裁判で重要な証拠となり得るかもしれませんが、
そのまま証拠として取り扱うことはできないと思われますので、
(勝手に持ち出したものだし)
捜査機関から、元の場所へ戻しておくように言われるでしょう。
必要があると思われれば、
検察などの捜査機関が、あらためて、
その不正帳簿を会社に直接、捜索差押手続きをして入手するでしょう。
以上、参考までに。
<私の考え>
会社の脱税を、税務署に告発するために、
従業員が、会社から勝手に、
証拠となり得る不正が書かれた帳簿を持ち出した場合に、
税務署に持っていったら、実際に窃盗としてその従業員は立件されてしまうのか?
という内容の質問です。
たしか、税務署の職員自体には脱税に関して逮捕権がないので、
だから税務署は会社の脱税などに関して最終的に、
刑事事件にする場合は、
検察へ連絡しなければならなかったはずです。
その際に、その従業員が会社から勝手に持ち出して盗んできた、
証拠となり得る帳簿に関しても、どのように入手したのか、
当然検察から聞かれることとなり、
その際に盗んできたことがバレるでしょう。
しかし弁護士曰く、別に帳簿を盗んできたことに関して、
わざわざ窃盗事件として、
その従業員が検察や警察に立件されることはない、と言っていました。
また、会社のコピー機で帳簿をコピーして持ってくる、という手段も考えられますが、
会社のコピー用紙を何枚か持ち出してぐらいでは、
これも特に問題ないでしょう。
(帳簿自体持ち出すよりもっと被害額低いですし)
まぁ一番無難な会社の脱税の証拠を持ち出す方法としては、
帳簿を持ち出さず、会社内で、
帳簿を取り出したその場で携帯で写して、
そのデータを持ち出すのが一番良いでしょう。
例えばの話ではありますが、
帳簿を一時的に社長の机から取り出して、
その場で携帯で写して、すぐに戻しておけば、
机から勝手に帳簿を取り出す行為自体が、
窃盗罪に問われる可能性を気にする必要はないでしょう。
他に気を付けることがあるとすれば、
会社の重要な会計情報を勝手に持ち出すことが、
不正競争防止法違反に当たり得るか?というのを、ちょっと考えた方がいいです。
会社にとっては重要な情報でも、
まぁ不正競争防止法で保護される「営業秘密」にあたるほどの情報なのか?
という判断は、なかなか捜査機関であっても難しいものですし、
それに告発目的という正当な目的があったうえでの、
情報の持ち出しでありますので、
不正競争防止法違反は今回の事例の場合は、
特に問題にならないでしょう。
しかし一応、上記で話した方法、
特に携帯で写した帳簿データを税務署に持っていく場合であっても、
告発のために持っていく前に、
一度、ネット上や、またはメールでもいいので、弁護士や税理士の方に、
経緯を話して
「税務署に持って行っても問題ないか?」
「一連の行動で自分は何か法に触れていないか?」
と相談して、本当に持っていくべきか検討された方がいいでしょう。
念のために。
脱税に限りませんが、
会社の不正を捜査機関に告発しようと思ったら、
まずはどういう風に証拠を集めていくか?
ということも、事前に考えて計画をねっておくべきでしょう。
・・・・今回の記事は以上です。
あと帳簿をコピーするにしても、写メするにしても、
帳簿自体著作物ではないですし、
告発目的であれば、
著作権侵害を気にする必要は一切ありません、当然ですが。
SH
まぁね。
どこの職場にもいますよね、こういう人は。
正しいと思っている、というか、まぁそうなんでしょうが、なんというか
まず人の話を理解しようというか聞かないというか。
そういう人と職場距離が近いと、、、ねぇ。
自分で、自分が内心で正しいと思っている分にはかまわんのだが
結構、そういう人ってまわりの人にかなりグイグイ主張してきますからね。
なぜ自分の判断にあんなに根拠も無く自信を持っているのか、とても不思議。
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