人から借りた物を、他人に壊されたら
いったい誰が、所有者に弁償しないといけないのか?
ということを、一例あげて簡単に話していきます。
まず、話の登場人物は
A(自分)、 B(Aの友人その1)、 C(Aの友人その2)
の3人とします。。。
Aが、Bからゲームソフトを借りてきて
そのソフトを
自分の部屋の床に置きっ放しにしていました。
そしたらAの家に、Cが遊びに来ました。
そしてCは、Aの部屋に入りました。
それで
部屋の床に置きっ放しになっていた
AがBから借りたゲームソフトを
Cが誤って踏んづけて壊してしまいました。。。。
この場合、B所有のゲームソフトを誰が弁償すべきなのか?
ということが問題になってきます。

この時点での登場人物の立場を整理すると
Aは、ゲームソフトを借りた人
Bは、ゲームソフトを貸した人(ゲームソフトの所有者)
Cは、ゲームソフトを壊した人
ということになります。
普通に考えれば、ゲームソフトを破壊したCが
ゲームソフトの所有者であるBに対して壊したゲームソフト代相当額を
弁償(賠償)すべき であって
ゲームソフトを借りていただけのAには、
Bに対して何の責任もない、と思うかもしれません。
しかし、ソフトを壊したCだけではなく
ソフトを借りたAにも
ゲームの所有者Bに対して
ゲームソフトを弁償しなければならない責任があると一般的に考えられています。
それらが、どういう理屈に基づいたものなのか?
民法に照らして、すでに決まっていることですが
まず、
ゲームソフトを破壊した張本人であるCが
ゲームソフトの所有者であるBに
壊したゲームソフト代相当額(時価)を弁償しなければならないのは
当たり前のこととなっています。常識で考えても分かることですが。
(民法709条が根拠条文)
そして、
Aが自分の部屋の床に無造作に
Bから借りたゲームソフトを置きっ放しにしておいたことが
間接的な原因となって
Cが、そのB所有のゲームソフトを誤って踏んで壊してしまったので
Aの落ち度も多少はあるといえるでしょう。

そして、そのA自身の落ち度によって
AはBにちゃんとゲームソフトを返すことができなくなってしまったので
Aにもゲームソフトの所有者Bに対して
壊れてしまったゲーム代相当額を弁償しなければいけない、
ということになっています。
(民法415条が根拠条文)
これらのことは弁護士さんに聞いて確認済みです。
でも、ゲームソフトの所有者Bは
AかCのどちらか“1人だけ”を選択して、
その1人にしか
弁償代の賠償請求することができません。
つまりA、C両方に賠償請求して
ゲームソフト代の弁償金を二重取りはできないということです。
両者に訴訟起こすこと自体はできますが、
まともに認められるのは一方のみへの請求だけ。

・・・それで、壊されたゲームソフトの所有者Bが
壊した本人Cを選択して賠償請求すれば
一応、弁償の問題はきれいに一件落着になるのですが、
もしも、Bが
ゲームを借りたAを選択して賠償請求をして
それで大人しくAが賠償に応じて
Bにゲームソフト相当額を弁償した場合には
AはCに対して、
Bに弁償した分を請求することができます。
なぜならAにも落ち度があったとはいえ
やっぱり一番落ち度があるのはCということですので。
そもそもCが誤って、Bのゲームソフトを踏み壊さなければ
AはBに弁償する必要はなかったので
Aは自分が弁償したことで損をした分、当然のこととしてCに請求できます。
AがCの代わりに、とりあえずBに弁償しておいたので、
Aは、Cの代わりに払った分を、もちろんCから取り戻せる、
と考えた方が理解が早いですかね。
( ・・・一応言っておきますが、
Cが、Bに弁償しても、それは当たり前のことなので
Cは弁償した分を誰かに請求することはできません。
そもそもの原因は壊したCにありますので。 )

まぁ、ここまでの話は、あくまでもしも
賠償請求するために訴訟を起こしたら
裁判でどんな判決が出るのか、という話 です。
なので、今回の例(たとえ)でいえば
ソフトを借りたAと、ソフトを破壊してしまったCが
両者みずから2人で話し合って
半分ずつ弁償代を出して
壊れたソフトの所有者Bに弁償することも普通に可能です。
というか訴訟を起こされる前に、とっとと弁償しましょう。。
なので、こういった弁償の問題は
法の理屈だけにとらわれず、当事者同士で話し合うなどして
柔軟に問題の解決を図るのが一番いい方法なのです。
あとABCとか記号ばっかりの説明で本当にごめんなさい。
できるかぎり分かりやすいように苦心はしました。
SH
責任を背負いたくないって気持ちは、
人間であればみんな持っていると思いますが、、、、、、
それなりの見返りが用意されているのであれば
生活のために多少は背負わないといけないと考えて
社会人としてみんな仕方なく働いているのでしょう。
そんな社会人の中にも
あからさまにやる気が感じられず、
毎回自分の都合良く主張することも違うし
なんでも責任転嫁する人もいます。
そんな人を見て
「たんなる何も考えていない、その時の気分次第で言動の変わる
社会人としての自覚が無い頭のおかしい人」
と思っているかもしれませんが
この本によると、なにやらそういった人の言動にも
それなりの共通した規則性があるみたいです。
その規則性をつかむことができれば
無責任な人が、何を考え、どう行動するのか、理解することができて
うまく自分があわせて一緒に仕事をしやすくなるかもしれない。
思考行動原理さえ分かれば、そんなに恐れる必要はなくなるかもしれませんね。
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