<質問の概要>
未成年者がコンビニやスーパーなどの店頭で、
自分を20歳以上、つまり大人だと偽って、
酒やタバコを購入しようとすることは
“詐欺罪”にあたらないのでしょうか?
店員を騙して物を交付させていますから、詐欺になると思ったにですが・・・
以上、よろしくお願いいたします。
<弁護士回答の概要>
理屈上は詐欺罪に当たる可能性はあるでしょうが、
現実的に詐欺罪として立件されることはないでしょう。
以上、参考までに。

<私の考え>
未成年者が店頭でタバコやお酒を購入することは、
未成年者飲酒禁止法、未成年者喫煙禁止法には触れますが、
たしかそれらの法律には未成年者への刑事罰の規定まではなかったと思います。
(まぁ警察に見つかれば補導されたり、没収されたりはしますが・・・)
もちろん未成年者にタバコやお酒を販売した店員にはきっちりと、
刑事罰がありますし、場合によっては立件もされると思います。(理不尽かも・・・)
なので、未成年者飲酒禁止法、未成年者喫煙禁止法にもとづいて、
タバコやお酒を購入した未成年者を罰することができないのなら、
詐欺罪として立件することは可能なのか?
と思って質問してみたのですが、
どうやら理屈上、自分を大人だと偽って店員を騙すことが詐欺にあたったとしても
詐欺罪として立件される可能性は低いみたいです。
その点について弁護士にもっと深く聞いてみたのですが、
理屈上詐欺になる可能性はあるが、
警察が詐欺罪として立件しないと考える理由がとしては、
それは詐欺罪の成立には、
被害者に “財産的損害” が生じている必要だという考えがあるからみたいです。

ようは、タバコやお酒を未成年者に騙されて、
販売してしまった店側に、
一方的な損害が生じている必要があるということです。
つまり、未成年者が自分を20歳以上、大人だと偽って、
店側からタバコやお酒を購入した場合、
例え騙されて店側がタバコやお酒を交付してしまったとしても、
ちゃんと未成年者側は店に対して、
お金(タバコやお酒に見合う対価)を払って、
店の商品を手に入れているので、
未成年者の詐称行為によって
店側は一切損をしていない(被害がない)ので、
問題はない(詐欺が成立するに値しない)というということらしいです。

逆に、例えば振り込め詐欺とかの場合は、
加害者が被害者に電話をかけて
「母ちゃん俺だよ、俺! 今、生活費に困っているから口座に金振り込んどいてくれよー!」
と相手(被害者)の子供のふりをして、
被害者に、加害者の口座へお金を振り込ませているので、
加害者(騙した人)は何の対価も支払わずに損はせずに、
被害者(騙されてお金を振り込んだ人)が一方的に損をしているので、
この場合は加害者によって、
被害者(騙された人)に“財産的損害”が生じていると考られるので、
詐欺罪が成立する、と考えるのが普通でしょう。
刑法の詐欺罪の条文には直接「被害者に財産的損害が発生していることが必要」とは、
明記されてはいませんが、
一応、“財産的損害”が、
詐欺罪の成立の要件の一つになっていることを覚えておいてください。
・・・・今回は以上ですかね。
SH
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